logo ツバメの巣とは?高級食材と言われる理由などを解説!

高級食材と言われているツバメの巣。

どのように採取され、食材として調理されているのかをご紹介します。

 

ツバメの巣とは

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アナツバメ類のうちジャワアナツバメなど数種の巣で、広東料理の高級食材とされています。アナツバメ類はアマツバメ目アマツバメ科に分類され、東南アジア沿岸に生息します。アマツバメ科は、繁殖期を除いてほとんど地表に降りることはありません。巣材も空気中に漂っている鳥の羽毛などの塵埃を集め、これを唾液腺からの分泌物で固めて皿状の巣を作ります。アナツバメ類の一部は、空中から採集した巣材をほとんど使わず、ほぼ全体が唾液腺の分泌物でできた巣を作るのです。

ツバメの巣は縁起物

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春から入梅の頃にかけて家屋の軒先に巣を作るツバメは、昔から幸運の象徴と言われています。そして、そこには次のような理由があります。

鬼門に巣を作らない

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昔から鬼門は災いが入って来る方角なので家を建てるときには重視されていました。風水でも、鬼門にあたる場所は悪いエネルギーが蓄積され災いが起こりやすいと言われています。言い変えると、ツバメが巣を作る場所は鬼門ではないので幸運がたくさん舞い込んでくる場所ということです。

優しい人が集まる所に巣を作る

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ツバメは優しい人が集まる場所に巣を作ると言われています。何故なら、優しい人は動物の巣を壊したり撤去したりしないからです。ツバメが巣を作ったということは、そこに住んでいる人は優しい人が多いということです。

ツバメが巣を作ることで玄関が綺麗になる

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玄関先は軒(のき)や庇(ひさし)があり天敵であるカラスから身を隠すことができるなど、ツバメが巣を作るための環境が整っています。ですから、ツバメが玄関に巣を作ることが多いのですが、その下には、雛鳥にたくさんの餌を運ぶために、たくさんの餌を食べた親鳥の糞がたくさん落ちることになります。玄関は幸運の入り口ですので、清潔に保たないと多くの幸運が舞い込んできません。ツバメの巣があることで、こまめに掃除をすることになり、いつでも綺麗で清潔に保たれた玄関からは多くの幸運が舞い込んでくるのです。

ツバメの巣の種類

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日本で見られるツバメは、スズメ目に属するツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメの5種類です。その巣の作り方など特徴を見ていきましょう。

ツバメ

町の中や周辺の農耕地、河川敷などにすみ、人家や店など人間が造った建造物に巣を作ります。繁殖期にはつがいで行動し、民家の軒先などの人工物に泥と唾液で固めたおわん型の巣を作り子育てをします。

イワツバメ

天井に近い位置に、泥と枯草などで深いどんぶり型の巣を作り、小さな入り口から出入りします。ほとんど地面に降りることはなく、巣材を集めるために時々地面に降りてきます。

コシアカツバメ

巣はお椀型のツバメに比べ、入り口の狭い、縦半分に割ったとっくりを横にしたような形をしているのが大きな特徴です。一般家屋よりも、ビルの天井や橋などコンクリート製の建造物に泥や枯草などで営巣します。

ショウドウツバメ

繁殖期は6月から8月。湖や河川沿いにある自然の崖や、土砂採取などでできた人工的な崖に、数十~数百の集団で横穴を掘って営巣します。巣の直径は5cm~10cm、奥行きは20cmから深いもので1mにもなります。

リュウキュウツバメ

人家、神社、仏閣、橋梁下など人間が造った建造物に巣を作りますが、ツバメよりも洞窟や崖などの自然物に巣を作ることが多いです。巣材は、枯れ草と泥を主材として椀形に造り、巣の形はツバメによく似たおわん型です。

ヒメアマツバメ

ヒメアマツバメの巣作りの最大の特徴は、コシアカツバメやイワツバメの巣を利用して自分の巣にすることがあることです。地上に降りることができないヒメアマツバメは、巣の材料ですら飛びながら集めなくてはいけないため、空中に漂う羽毛や枯れ草を巣に使うのだそうです。

日本と中国の違い

食用になる巣を作るのは「アナツバメ」という種類のツバメで、日本の燕の巣は食べられないので注意が必要です。しかも、食べられる巣を作る「アナツバメ」は、東南アジアのごく一部の地域にしか生息していません。日本のツバメは何度も同じ巣を使って繁殖しますが、アナツバメの巣は一度きり。子育てごとに新しい巣を作るため、古い巣を人が採って食べても繁殖に問題はないのです。

ツバメの巣の値段が高い理由

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燕の唾液から作られるのですが、値段が高い理由は以下の3つが考えられます。

採取量が少ない

アナツバメが生息している地域はごく僅か。燕の巣は健康や美容にも効果を得られるので、その効能を目的に燕の巣を求める人も多くなっています。希少価値が高くなっていくにつれて値段も高価になってきているようです。

採取が大変

アナツバメは断崖や洞窟に巣を作るので、人間が燕の巣を採取するには命がけで危険が伴います。さらにアナツバメを保護するために、燕の巣の採取の時期や立ち入りを厳重に管理されていることによっても、採取が困難になっています。

採取後の処理が大変

燕の巣はアナツバメが唾液で作った天然のものなので、食用に処理をするのにも手間と時間がかかります。アナツバメの中には、唾液の他に羽毛などを使って巣を作るものもあるため、丁寧に処理をする必要があるようです。

ツバメの巣の食べ方

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中国料理としての燕の巣は特に広東料理で食べられます。元や明代に中国に伝わったようですが、清朝時代にはアワビやフカヒレなどと共に豪華な宴席料理に用いられるようになりました。現在では、水で戻してから柔らかく煮込んで料理やデザートなどに使うことが多くなっています。

ツバメの巣の栄養成分

燕の巣には、タンパク質や炭水化物、ビタミンB1・ビタミンD・ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。特にシアル酸には美肌や育毛にとどまらず、近年はアレルギーのある方などに対しても幅広い効果が期待できることが分かってきました。

シアル酸とは

シアル酸の他にも、ローヤルゼリー、母乳、脳の神経細胞、生殖器官といった人の体内にも含まれます。シアル酸は免疫機能の維持向上に欠かせない「糖鎖」を構成する要素の一つです。糖鎖には細胞の働きを正常に保ち、免疫機能を整えてウイルスや細菌から体を守る働きがあり、他にも育毛、美肌、癌やアレルギー緩和などに関わっていると考えられています。「糖鎖」とは糖鎖栄養素が鎖状につながったもので、細胞の周囲にまるで産毛のようについています。近年、この糖鎖が病気を防ぎ健康寿命を保つための重要な働きをしていることがわかってきました。免疫システムを中心に糖鎖が正常に機能するには、糖鎖を構成する8種類の糖鎖栄養素が不足しないようにしなければなりません。その8つの糖鎖栄養素のひとつが「シアル酸」なのです。

ツバメの巣のサプリとは

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日本では採取できない燕の巣ですが、現在ゼリースティックや美容液など様々な形で販売されています。

ツバメの巣は中華食材?

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燕の巣はフカヒレと並ぶ高級中華食材で、海藻とアマツバメが吐き出す分泌部で作られた巣を採取したものです。通常、燕の巣は海風があたる断崖絶壁に作られるため、採取は非常に危険な作業となります。そのため貴重な食材として高値で取引されています。ただ、日本でも前述のサプリメント等で販売されていますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。

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