logo 高級食材ツバメの巣とは?中華料理としての味わいなど

ツバメの巣が高級食材と呼ばれていることは知っているでしょうか。中華料理でよく使われていますが、どんな味わいでどんな栄養が含まれているのかについて解説します。

ツバメの巣とは

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食用のツバメの巣は、東南アジアのごく一部の地域に生息するアナツバメという種類のツバメが、繁殖期に自らの唾液を吐いて固めて作った巣です。日本では中華料理の高級食材として、美しさを追求する女性憧れの食材です。この巣にはさまざまな栄養が含まれていることから、中国では古くから漢方の中で、美肌だけでなく栄養補給や免疫を高める効果があると言われ、健康維持のために裕福な人々が好んで食べていました。玄宗皇帝の后、楊貴妃も毎日食していたといわれています。市場に出ているツバメの巣の多くは天然の巣の形状をしていますが、中には平べったいものや棒状のもの、細かく砕いたものなどもあります。後者の三種は、ツバメの巣を洗浄した後のものを、形状によって分類したもので、それぞれ価格は異なるものの、食用としての効果は全く同じです。ツバメの巣は、巣を作る習性によって「屋燕」と「洞燕」という呼び方があります。建物(燕屋)に巣を作るのが屋燕で、山洞や岩壁に巣を作るのが洞燕ですが、実際には燕の種類自体はまったく同じです。洞燕は採集の際に、巣が洞窟の上のほうにあるため、 巣の中に孵化していない卵があるかどうか判断が難しいです。うっかり卵を壊してしまう可能性もあります。しかし燕屋での採集なら、屋内なので採收時にも容易に巣の中の様子が分かり、中に卵が無い、あるいは燕がすでに孵化して飛び立った後だと確かめてから、 採集することができます。ですので環境保護や生態系の問題はありません!燕もますます繁殖します。禧元堂の燕窩は「屋燕」を使っています。採集されたツバメの巣は、色によっても「白燕」、「黄燕」、「血燕」などと呼ばれます。それら色の違いは、地理的環境や燕が食べたものの違い、または空気中の鉱物が酸化することによって変化したものです。屋燕であれ洞燕であれ、採集されたばかりの時は非常に乾燥して固く、表面には燕の羽毛や卵の殻の破片、砂などの雑物が混じっており、一般にこれを「原燕」と呼んでいます。

中華食材「燕の巣」の特徴

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ツバメの巣が鳥の巣からできてていると分かると、口にするのをためらう人もいるでしょう。しかしなぜ、人々はツバメの巣を好んで食べているのでしょうか。ここではツバメの巣を食べる理由をいくつか紹介します。

体・健康に良い

ツバメの巣にはシアル酸が含まれており、免疫力を向上させる効果があります。免疫力が低下すると細菌やウイルスに感染しやすくなり、歯周病や感染症にかかりやすくなるなど人体にさまざまな支障をきたします。そこでツバメの巣を食材として取り入れることで免疫力が高まることを期待して、健康な体作りのために食べる人も多いようです。

美容に良い

ツバメの巣に含まれているシアル酸は、美容にも効果的であるとされ注目されている成分です。シアル酸は人間の唾液にも含まれており、肌のターンオーバーを促進させハリや艶のある美肌にする効果があります。ツバメの巣のシアル酸は、美容に効果的といわれているローヤルゼリーの200倍もの含有量があります。そのため、ツバメの巣は美容においても高い効果を期待され、日本でも美容効果を目的として購入されています。

食感

ツバメの巣の食感は、グレープフルーツ・寒天・ゼリーなどと例えられることが多く、口の中に入れると溶けるようなイメージです。ツバメの巣特有の味や匂いはなく、食感を楽しむ食材といえるでしょう。なお、ツバメの巣だけでは味がしないので、単体で食べるのには向いておらず調理して食べるのが一般的です。

栄養

ツバメの巣はタンパク質と多糖類が結合したムチンと呼ばれる良質の糖タンパク質を主成分とし、糖鎖の一種、シアル酸を多く含んでいるのが特徴です。また、身体のタンパク質を構成するロイシン、リジン、グリシン、グルタミン、チロシン、アリギニン、システイン、ヒスチジン、トリプトファンなどのアミノ酸を含んでいます。こうした豊富なアミノ酸の他に、食物繊維やカルシウム、ナトリウム等のミネラルなどたくさんの栄養素を含んでいる食品です。これらの栄養素を摂取することによって、細胞に必要な栄養を与えて抵抗力をつけ、若々しく健康な体を保ち、同時に美しい肌を保つのに貢献します。

産地

ツバメの巣の産地は東南アジア一帯で、主にインドネシアやタイ、ベトナム、マレーシアなどです。なかでも、マレーシア産が最高峰であるといわれています。しかし、インドネシアの生産量が最も多く、特にスマラン、メダン、スラバヤの三地域で加工されたツバメの巣は、ほどよく膨張されており食感が良く、広く市場に知られています。

ツバメの巣の料理

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高級中国食材であるツバメの巣は、どのようにして食べられているのでしょうか。ここでは、ツバメの巣の下処理方法とツバメの巣を使った料理を紹介します。

ツバメの巣の下処理の仕方

ツバメの巣は乾燥しているため、水に戻して使います。たっぷりの水にツバメの巣を浸して2〜3時間ほど置くと、5倍程に膨らむでしょう。水が汚れるので、途中で水を入れ替えると汚れが取れやすくなります。水で戻したツバメの巣に不純物がついている場合は、ピンセットで丁寧に取り除きます。手間がかかりますが、キレイにした方が美味しく食べることができるのでおすすめです。なお、ツバメの巣の種類によって水に浸す時間が変わってくるので確認しましょう。

ツバメの巣を使った料理

ツバメの巣を使った料理には以下のようなものがあります。
・スープ
・シロップ煮
・サラダ
・プリン
・餃子
・焼売
ツバメの巣は無味無臭なので、味や風味より食感を楽しむ食材です。中華料理店では、ツバメの巣をスープや餃子・焼売などに入れて提供しています。ツバメの巣をシンプルに食べたいときは、シロップ煮がおすすめで、シロップ煮は家庭でも簡単に作ることができるので試してみてください。

ツバメの巣が高級食材である理由

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食材としてあまり馴染みのないツバメの巣ですが、中国だけでなく日本でも高級食材として食べられています。ただし、希少価値が高く偽物や養殖が出回っている可能性もあるため、購入する際には注意が必要です。ツバメの巣は、美容や健康などにさまざまな効果・効能を得られるので、機会があればぜひ一度食べてみてください。

採取量が少ない

アナツバメが生息している地域はごく僅かで、食用のツバメの巣を採取できる量が少ないことが高級になる要因の一つです。ツバメの巣は健康や美容にも効果を得られるので、その効能を目的にツバメの巣を求める人も多くなっています。求める人が多く、希少価値が高くなっていくにつれて値段も高価になってきているようです。

採取が大変

ツバメの巣が高価なのは、巣を採取することが非常に大変であることも理由の一つです。アナツバメは断崖や洞窟に巣を作るので、人間がツバメの巣を採取するには命がけで危険が伴います。さらにアナツバメを保護するために、ツバメの巣の採取の時期や立ち入りを厳重に管理されていることによっても、採取が困難になっています。

採取後の処理が大変

ツバメの巣はアナツバメが唾液で作った天然のものなので、食用に処理をするのにも手間と時間がかかります。アナツバメの中には、唾液の他に羽毛などを使って巣を作るものもあるため、丁寧に処理をする必要があるようです。こういった理由からアナツバメの唾液だけで作られた純度の高いツバメの巣はより高価になるなど、ツバメの巣の状態によっても価格の変動があります。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。