logo シアル酸と脳の発達は関係がある!?脳におけるシアル酸の不可欠な役割を解説

糖の一種であるシアル酸は、細胞間接着や細胞分裂に関わり、体内の組織や器官を構築するのに欠かせません。それだけではなく、シアル酸は脳の形成・発達においても重要な役割を果たします。今回は、シアル酸と脳の関係や、シアル酸が摂取できる食品などについて解説します。

シアル酸は脳機能に不可欠!

シアル酸は、細胞表面を覆う糖鎖(単糖が鎖状につながった物質)の末端に存在する物質です。

細胞の増殖・分化や細胞同士の情報伝達などに関わっているほか、免疫機能の調整役としても働く重要な物質ですが、脳の形成・発達においても欠かせない物質といわれています。ここでは、シアル酸と脳機能の関係について解説します。

シアル酸は脳機能を発達させる

シアル酸は脳や神経にとくに多く存在し、これらの器官や機能の形成・発達においても重要な役割を果たしていると考えられています。

たとえば脳の形成・発達には、脳神経の維持や損傷の修復に必要なガングリオシドや、神経細胞をつなぐ神経細胞接着分子が欠かせません。これらを構成する要素のひとつがシアル酸であり、神経細胞同士の接着を制御して、神経細胞の突起(細胞同士の情報の送受信を担うもの)の伸長を促すなどの役割を担っています。

0〜6ヶ月の赤ちゃんにガングリオシドを強化したミルクを飲ませたところ、認知機能が発達したとの実験結果もあります。

子供の学習能力にも影響を及ぼす

脳の形成・発達に関わるシアル酸は、子どもの学習機能にも影響を及ぼします。シアル酸にはコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)を活性化させる作用があるためです。

コリンアセチルトランスフェラーゼとは、記憶形成に関わる海馬で分泌される、アセチルコリン(神経伝達物質)の減少を抑制する効果をもつ酵素です。

シアル酸によってコリンアセチルトランスフェラーゼが活性化され、アセチルコリンの減少が抑制されると、海馬の学習・記憶機能が向上するといわれています。

シアル酸は「やる気」にも一定の効果あり

シアル酸はやる気アップにも一役買います。人がやる気を感じるとき、体内では幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンが分泌されます。

近年、このやる気に関わるセロトニンシグナルの伝達に、海馬で分泌されるポリシアル酸(シアル酸同士が結合したもの)が関わっていることが発見されました。

ポリシアル酸が不足すると抗うつ薬が効かなくなったり、ポリシアル酸の異常によって統合失調症などの精神疾患を発症するリスクが高まることも指摘されています。これらの研究結果から、シアル酸は人間の精神状態にも深く関わっていると考えられます。

シアル酸の摂取目安量は?

脳から精神状態まで、人間にとって重要な器官や機能の形成・発達に深く関わっているシアル酸は、食品からも摂取できます。成人の場合、シアル酸の1日の必要摂取量は約140mgと言われています。

シアル酸はどんな食品から摂取すれば良いのか?

先述のとおり、シアル酸は食品から摂取できますが、どんな食品から摂取すれば良いのかわからない方も多いでしょう。シアル酸が含まれる食品はいくつかありますが、下記の食品はとくにシアル酸の含有量が多いとされています。

  • ・ツバメの巣

  • ・ローヤルゼリー

  • ・卵

また、シアル酸が含まれたサプリを摂取するのもおすすめです。食品別のシアル酸の含有量などについて、下記にてくわしく紹介します。

ツバメの巣

中華の高級食材として知られるツバメの巣は、シアル酸含有量がもっとも多い食品だといわれています。

  • 100gあたりのシアル酸含有量:10,000mg

ただし、これほど多くのシアル酸を含むのは、天然のツバメの巣に限られます。高級食材であるツバメの巣は偽物や養殖物が多く出回っており、偽物や養殖物にはこれほど多くのシアル酸は含まれていません。

それどころか健康被害を起こすリスクがあるものまで存在するので、天然のツバメの巣を摂取することが大切です。

ローヤルゼリー

昔から健康食品として知られているローヤルゼリーも、シアル酸を多く含む食品です。

  • ・100gあたりのシアル酸含有量:50mg

ツバメの巣と比較すると少ないですが、高血圧予防などの効果も期待できるといわれているので、試しに取り入れてみるのもよいでしょう。

身近な食品のなかでは、卵がシアル酸を多く含むといわれています。

  • ・100gあたりのシアル酸含有量:50mg

スーパーで気軽に買える食品なので、日々の生活に取り入れやすいでしょう。シアル酸を摂取する目的で卵を食べるときに注意したいのが、「カラザを除去しない」ことです。

シアル酸は卵のカラザに多く含まれているので、カラザを取るとシアル酸の摂取量が減ってしまいます。カラザは取り除かずに、そのまま料理に使いましょう。

サプリ

ツバメの巣は高級食材なので、毎日食べるのは大変です。そもそもツバメの巣の入手方法や調理方法がわからない方も多いでしょう。

ローヤルゼリーや卵はスーパーやネットショッピングなどで購入できますが、シアル酸の1日の必要摂取量を満たそうとするとかなりの量を食べることになるので、やはり現実的ではありません。

手軽にシアル酸を摂取するには、ツバメの巣を原料に使った健康食品を摂取する方法もあります。サプリメントのほかに、ゼリーやドリンクタイプの健康食品もあるので、取り入れやすいものを探してみましょう。

シアル酸を摂取して脳機能を高めよう

シアル酸は脳の形成・発達に深く関わっており、子どもの学習機能ややる気にも影響するといわれています。シアル酸は食品から摂取できるので、シアル酸が多く含まれる食品を積極的に取り入れてみましょう。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。