シアル酸はインフルエンザに効果あり?研究結果を用いて解説!
シアル酸はインフルエンザウイルスの感染予防に効果的といわれています。シアル酸とは、体内に存在する糖の一種のこと。 では、そのシアル酸が、どのようなしくみでインフルエンザを予防につながるのか、また、効果的なシアル酸の摂取方法について紹介します。
シアル酸はインフルエンザに効果がある?
シアル酸にはインフルエンザウイルスの感染を抑制する効果が期待できます。まずはそのしくみを見てみましょう。
ツバメの巣を用いた実験により可能性が示唆された!
シアル酸が多く含まれている代表的なものが、ツバメの巣(アナツバメの巣)です。ツバメの巣の抽出物を用いた実験で、ツバメの巣の抽出物をパンクレアチンという酵素で加水分解したところ、インフルエンザウイルスの感染を強力に阻害できることがわかりました。 また、理由ははっきりしていないものの、洞窟で採取した天然物のツバメの巣は、ハウスで養殖したツバメの巣よりもインフルエンザを攻撃しやすいこともわかっています。現在、インフルエンザの予防法としては、予防接種を受けることが一般的ですが、ツバメの巣をうまく取り入れることができれば、、天然由来のものでインフルエンザの予防が期待できるかもしれません。 なお、養殖物や偽物のツバメの巣も出回っていますが、上記の通り、ツバメの巣の効果をしっかり得たい場合は、天然物を選ぶ必要があります。
抗インフルエンザ薬はシアル酸の構造をもとに製造された!?
インフルエンザと聞くと、治療薬の「タミフル」を連想する方も多いのではないでしょうか。実はこのタミフルは、シアル酸の構造にヒントを得て開発された薬です。 前述のとおり、シアル酸にはインフルエンザウイルスの感染を阻害する効果があることがわかっています。これを利用して、インフルエンザウイルスが私たちの体内で増殖する前に、人工的なシアル酸と結合させて感染拡大を防ごう、というのがタミフルのしくみなのです。
シアル酸は免疫力を向上させる!
シアル酸はインフルエンザウイルスの感染を抑制するだけではありません。免疫力を高める効果も期待できます。細菌やウイルスなどの病原体が体内に入ると、シアル酸は素早くその侵入を察知します。そして、免疫細胞に病原体への攻撃を指示する働きも持っているのです。 さらには、アレルギー反応をやわらげる効果も期待できます。たとえば多くの人が悩まされている花粉症は、免疫機能において、花粉を異物だと誤認識することでくしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。シアル酸はアレルギーを起こす原因物質が細胞に接着するのを防ぐため、炎症を抑え、アレルギー症状の緩和にも役立つと考えられています。
シアル酸を多く含むものは?
インフルエンザの感染予防や免疫力向上が期待できるシアル酸は、食品から手軽に摂取することができます。ここでは、とくにおすすめの食品を3つ紹介します。
ツバメの巣
アナツバメの巣には、豊富なシアル酸が含まれています。その含有量はローヤルゼリーの約200倍ともいわれています。
卵
私たちが日常的に口にしている鶏卵の卵黄にもシアル酸が含まれています。乾燥した卵黄で測定したところ、含有量は0.2%だったとのことです。
牛乳
牛乳に含まれるシアル酸は、1mLあたり0.2mgと言われています。つまり、1日にコップ1杯(200mL)飲むと、40mgのシアル酸を摂取できることになります。
シアル酸を取り入れてインフルエンザ予防をしよう!
シアル酸はインフルエンザウイルスの感染抑制に効果が期待される成分です。さらに免疫力の向上や花粉症などのアレルギー対策にも効果があると考えられており、意識して摂取したい成分のひとつといえます。 シアル酸が多く含まれることで、近年注目が高まっている存在が「ツバメの巣」。最近では、ツバメの巣の成分をつかった健康食品なども販売されているので、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?