logo ツバメの巣がアトピーに有効?科学的検証によって証明

ツバメの巣は、さまざまな健康・美容効果が期待できるとして近年注目が高まっています。今回のテーマはツバメの巣とアトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎は肌のバリア機能の低下やアレルギー炎症などが組み合わさって発症すると言われていますが、ツバメの巣はアトピー性皮膚炎に対してどのようにアプローチするのでしょうか。この記事では、さまざまな検証結果とともに、ツバメの巣によるアトピー性皮膚炎に対する効果について詳しく解説します。

ツバメの巣はアトピー性皮膚炎に有効!

炎症を再現した皮膚細胞と、アトピー性皮膚炎のマウスを使った2種類の検証により、ツバメの巣には抗炎症作用、抗酸化能、保湿力回復につながる作用があり、皮膚炎の軽減、皮膚の厚さが改善されるという結果が出ました。これにより、ツバメの巣はアトピー性皮膚炎に有効であると考えることができます。まずはそれぞれの検証について詳しく見ていきましょう。

参考 Lai QWS, Fan Q, et al. Edible bird’s nest, an Asian health food supplement, possesses anti-inflammatory responses in restoring the symptoms of atopic dermatitis: An analysis of signaling cascades. Front Pharmacol. 2022 Sep 20;13:941413.

「皮膚細胞」での検証により3つのことが判明

炎症性サイトカインで処理した(炎症状態をつくった)皮膚細胞と、以下の3種類の検体を使って検証したところ、ツバメの巣には、炎症抑制作用、抗酸化能、保湿力の回復作用がある可能性が示されました。

・デキサメタゾン(皮膚炎を抑えるステロイドの一種)
・ツバメの巣水抽出エキス(水でツバメの巣エキスを抽出したもの)
・ツバメの巣酵素分解エキス(酵素で分解し、ツバメの巣を丸ごとエキス化したもの)

炎症を抑える

ツバメの巣によって炎症性サイトカインが抑制され、炎症が軽減する可能性が示されました。

炎症性サイトカインは炎症や免疫応答の調節を担う存在で、これが過剰になると炎症やかゆみとなって現れるものです。

抗酸化能がある

※細胞内の活性酸素種に色をつけて観察し、光り度合いを数値化したグラフ(光が弱くなるほど抗酸化度が高い)

ツバメの巣エキスによって活性酸素種の形成が抑制されました。つまり、ツバメの巣に抗酸化能がある可能性が示されたということです。

保湿因子の発現が回復

保湿因子「フィラグリン」が減った皮膚細胞にツバメの巣エキスを加えると、フィラグリンが増強しました。このことから、ツバメの巣エキスによって保湿因子の発現が回復し、肌の保湿力やバリア機能が回復する可能性が示されました。

アトピー性皮膚炎モデルマウスによる検証

つづいて、アトピー性皮膚炎の状態にしたマウスに試薬(先ほどと同じ3種類の検体)を1日1回10日間塗ったところ、ツバメの巣が皮膚炎の軽減や、皮膚炎による皮膚の厚さを改善する可能性が示されました。

皮膚炎の重症度が軽減

マウスにツバメの巣エキスを塗ったところ、皮膚炎の症状が軽減されました。また、保湿やバリア機能にかかわる保湿因子のフィラグリンが増加したことも確認されました。

炎症性サイトカインを抑制

マウスにツバメの巣エキスを塗ったところ、炎症性サイトカインの発現が減りました。このことから、ツバメの巣エキスは炎症性サイトカインを抑制し、炎症の軽減に役立つ可能性が示されました。

厚くなっていた表皮が改善

マウスにツバメの巣エキスを塗ったところ、マウスの厚くなっていた表皮が改善されました。

以上の2つの検証から、ツバメの巣はアトピー性皮膚炎に有効であると言えるでしょう。

ツバメの巣は他にも皮膚へ良い効果がある!

ツバメの巣には、皮膚の保湿効果やシミの抑制効果などが期待できることも分かっています。

皮膚の保湿効果

別の検証でも、ツバメの巣を食べると保湿因子のフィラグリンが増加するという結果が出ています。表皮を形成するケラチノサイトでは、何もしていないときに比べてフィラグリンが約60%増加していることが分かりました。

肌の天然保湿因子が不足すると水分が逃げやすくなり、肌のバリア機能も低下するとされています。つまり、ツバメの巣を食べることで、保湿効果が期待できると言えます。

参考  Edible Bird’s Nest, an Asian Health Food Supplement, Possesses Moisturizing Effect by Regulating Expression of Filaggrin in Skin Keratinocyte

シミの抑制効果

ヒトメラノーマ細胞にツバメの巣エキスを添加した検証では、何もしていないときと比べて84%のメラニンを抑制できるという結果が出ました。この数字は美白成分としても知られるビタミンCよりも高いものです。

このことから、ツバメの巣にはシミの抑制効果が期待できると言えます。

参考 Gallant Kar Lun Chan et.al, “Edible Bird’s Nest, an Asian Health Food Supplement, Possesses Skin Lightening Activities: Identification of N-Acetylneuraminic Acid as Active Ingredient”,January 2015, Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications, 05(04):262-274

ツバメの巣で多くの皮膚の悩みを改善

皮膚細胞やマウスを使った検証では、ツバメの巣には抗炎症作用、抗酸化能、保湿力の回復作用があり、皮膚炎の軽減、皮膚の厚さが改善されるという結果が出ました。このことから、ツバメの巣にはアトピー性皮膚炎の改善効果が期待できることがわかりました。

その他にも保湿効果やシミの抑制効果が期待できることがわかっており、ツバメの巣でさまざまな皮膚の悩みが改善できると言えるでしょう。

ツバメの巣のエキスが配合されたサプリメントなども登場しているため、取り入れてみてはいかがでしょうか。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。