logo ツバメの巣が子供の学習能力を向上させる?研究により明らかに

美容や健康に嬉しい効果が期待できるとして、近年注目度が上がっているアナツバメの巣。実はこのツバメの巣は、妊娠中や授乳中に親が摂取していると、子供の学習能力向上に効果が期待できるようなんです。

今回は、具体的な研究結果も交えて、ツバメの巣の学習能力向上効果について詳しく解説します。

ツバメの巣は子供の学習能力を向上させる可能性がある! 具体的な研究結果

マウスを用いた実験では、ツバメの巣が子供の学習能力を向上させる可能性があると考えられる結果が出ています。

「モーリスの水迷路実験」で空間学習能力・記憶力の向上が見られた

まず生後7~8週かつ25g未満のマウスを、以下の5つのグループに分けました。

・シアル酸(ツバメの巣に多く含まれる)の主成分「N-アセチルノイラミン酸」を与える
・ツバメの巣(4.5g)を与える
・ツバメの巣(6.75g)を与える
・ツバメの巣(9g)を与える
・ツバメの巣を与えない

そして、妊娠した雌マウスは決まったエサを摂取しながら、授乳まで行います。その後、各グループから生まれた子供のマウスを対象に、「モーリスの水迷路実験」を実施

これは、プールに直径9㎝のプラットフォーム(島のようなもの)を設置し、マウスを入れてプラットフォームを探させるという実験です。プラットフォームに登れば、泳がずに済みます。最初の4日間は毎回違う場所からマウスを入れ、プラットフォームを探させ、5日目はプラットフォームを取り除き、プラットフォームがあった場所を1分間に何回通るか、どの程度の時間その場所にいるかを計測しました。

実験の結果、ツバメの巣を9g与えられていたマウスの子供は、プラットフォーム(PF)の通過回数、滞在時間ともに、他のグループよりも多い(長い)ということがわかりました。

このことから、妊娠・授乳中にツバメの巣を与えられた子供は、空間学習能力と記憶力が向上していると考えることができます。

参考 Yong Xie.,et al (2018). Effect of Maternal Administration of Edible Bird’s Nest on the Learning and Memory Abilities of Suckling Offspring in Mice

脳内物質の測定

モーリスの水迷路実験の後、4種類の脳内物質の測定を行ったところ、脳細胞の健康や学習能力、記憶力に対して良い変化が確認されました。具体的には以下の通りです。

MDA

MDA(マロンジアルデヒド)は、活性化すると酸化ストレスが増加し、細胞の老化を引き起こす物質です。

ツバメの巣を摂取していた親から生まれたマウスは、MDAが抑制されており、脳細胞の健康が促進されていることがわかりました。

SOD

SOD (スーパーオキシドジスムターゼ)はMDAとは逆に、活性化すると酸化ストレスが減少し、細胞の老化が抑制される物質です。

ツバメの巣やシアル酸の主成分であるN-アセチルノイラミン酸を摂取していた親から生まれたマウスは、SODが活性化しており、脳細胞の健康が促進されていることがわかりました。

ChAT

ChAT(コリンアセチルトランスフェラーゼ)は、活性化すると神経伝達が改善し、学習と記憶にいい影響がある物質です。

ツバメの巣やシアル酸の主成分であるN-アセチルノイラミン酸を摂取していた親から生まれたマウスは、記憶の形成に関わる海馬や、空間認識にかかわるパリウム(大脳皮質)におけるChATが活性化しており、学習能力と記憶力が向上していると考えられます。

AChE

AChE(アセチルコリンエステラーゼ)はChATとは逆に、活性化すると神経伝達が滞り、学習と記憶の機能が低下する物質です。

ツバメの巣やシアル酸の主成分であるN-アセチルノイラミン酸を摂取していた親から生まれたマウスは、海馬やパリウムにおけるAChEが抑制されており、学習能力と記憶力が向上していると考えられます。

妊娠中・授乳期に親が摂取することで効果あり

上記の実験では、妊娠中~授乳期に親がツバメの巣を摂取していた子供に、空間学習能力や記憶力の向上が見られました。

つまり、子供の学習能力向上を目指すなら、親が妊娠中からツバメの巣を摂取することで、効果が得られることが考えられます。

ツバメの巣はママにも良い効果あり!

ツバメの巣は、子供の学習能力向上だけでなく、ママにも美容面や健康面で嬉しい効果が期待できます。

美肌・育毛効果が期待できる

ツバメの巣には、肌の免疫力や再生能力のアップにつながる糖鎖栄養素やグロースファクターが含まれています。そのため、しみ、しわ、たるみの予防・改善、保湿などに効果が期待できます。

さらに、グロースファクターの「EGF」には、育毛作用のあるインスリン様増殖因子を増やす働きなどがあり、育毛効果も期待できます。

妊娠中~産後は特に肌荒れしやすい時期であり、産後は抜け毛が気になる女性も多いです。ツバメの巣は、そんな時期の女性にとってとても頼もしい存在と言えるでしょう。

免疫力アップやアレルギーの緩和

ツバメの巣に含まれるシアル酸は、免疫機能にかかわる「糖鎖」を構成する成分であり、ツバメの巣も免疫力アップに効果が期待できるとされています。

また、ツバメの巣のエキスには抗ウイルス効果があり、インフルエンザウイルスやロタウイルスの感染を防ぐことがわかっています。

なお、アレルギーは免疫機能の誤作動によって生じるものです。ツバメの巣によって糖鎖の働きが活発化することで、アレルギーの緩和にも役立つと考えられています。

ツバメの巣は母子ともに良い影響を与える可能性あり!

ツバメの巣には、子供の空間学習能力や記憶力の向上に効果が期待できると考えられています。このことは、マウスを使った実験で実際に空間学習能力や記憶力の向上が確認できたこと、学習能力や記憶力にかかわる脳内物質に、よい変化があったことが根拠となっています。

また、ツバメの巣による子供の学習能力向上を目指すなら、妊娠中~授乳期に、お母さんがツバメの巣を摂取することがポイント。ツバメの巣には美容や健康にもよい効果が期待できるため、積極的に取り入れてみてください。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。