ツバメの巣は高級漢方食材!そう言われるわけとは?
ツバメの巣は漢方としても人気の高級食材です。本記事では、漢方として重宝されてきたツバメの巣に含まれる成分や、期待できる効果などについてわかりやすく解説します。
ツバメの巣は高級漢方食材として重宝されていた?
ツバメの巣は、古くからその希少性と効能が注目されてきたものです。漢方食材としても重宝されており、『本草綱目』(中国の代表的な医薬書)には、ツバメの巣について以下のように書かれています。 ・肺(呼吸器系のこと)の機能を高める ・腎(泌尿器・生殖器系や生命エネルギーのこと)を補う ・胃を健やかにする ・副作用がない また、健康増進や不老長寿、うるおいをめぐらせて新陳代謝を上げるなどと言われることもあります。 世界三大美女のひとり、あの楊貴妃もツバメの巣を好んで食べていたといわれるほどの高級漢方食材であり、現代では3大珍味のひとつにも数えられています。 なぜツバメの巣がこれほど珍重されているのか、まずはツバメの巣に含まれる成分と希少性をみていきましょう。
ツバメの巣に含まれる成分が要因!
ツバメの巣には美容や健康にうれしい成分が豊富に含まれています。とくに注目したいのは次の4つの成分です。
①シアル酸
シアル酸は免疫機能に欠かせない「糖鎖」を構成する糖鎖栄養素のひとつです。糖鎖とは、体内にウイルスなどの異物が侵入したときにいち早く察知し、情報を伝達するためのアンテナのようなもの。糖鎖を構成する栄養素は8種類あり、そのひとつがシアル酸です。
②EGF
EGFは「上皮細胞増殖因子」のことで、もともと私たちが持っているたんぱく質の一種です。肌表面の細胞の生まれ変わりを助け、ターンオーバーを正常に保つなどの働きがありますが、加齢とともに減少していくため、食べ物から摂取することが推奨されています。
③水溶性蛋白質
皮膚や髪、筋肉、神経細胞などを作るのに欠かせない栄養素です。また、ホルモンや免疫といった、体を調整する働きもあります。
④アミノ酸
体を構成する蛋白質を合成する有機化合物です。アミノ酸には全部で22種類ありますが、どれかひとつが欠けても蛋白質を合成できません。ツバメの巣は、この22種類すべてを含んでいます。
ツバメの巣の場所が採取困難!
「ツバメの巣」というと、春から夏にかけてよく軒先などで見られるツバメを連想するかもしれませんが、高級漢方食材として知られるツバメの巣は、日本で見かけるツバメのものではなく、種類の異なるアナツバメの巣です。アナツバメは日本のツバメのように草や泥で巣を作るのではなく、みずからの唾液で巣を作ります。 また、営巣場所も民家の軒先ではなく、海沿いの崖にできた洞窟の中です。人間の手が届きにくく、巣を採取するのは非常に困難なため、希少価値が高く、価格も高価なのです。
ツバメの巣には本物と偽物がある!
実は市場には多くの偽物のツバメの巣が出回っています。なぜなら、ツバメの巣は入手することが難しいために、非常に高価。巨額な利益を得ようと、木型に類似したものを流し込んで作ったり、化学薬品で作ったりして、巧妙に偽造されたものが流通しているのです。本物であることを証明する方法がないのも、粗悪品がはびこる理由かもしれません。
希少なツバメの巣の効果とは?
ツバメの巣は、おもに美容と健康に効果が期待できます。 ・美肌効果 ・育毛効果 ・免疫力向上効果 それぞれをくわしく見ていきましょう。
美肌効果
美肌効果が期待できる成分は「GF(グロースファクター)」という肌の再生能力を高める蛋白質です。肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンなどの生成にも関与し、シミやシワなどのエイジングサインを防ぐのに効果的とされています。
育毛効果
「GF」のひとつ「EGF」には、発毛サイクルのスイッチを切り替える働きがあります。髪が伸びて自然に抜けるまでには、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階がありますが、髪が成長を開始するには、EGFが結合して働く受容体「EGFR」が欠かせないことがわかっています。 さらにEGFには、髪の成長期を長くしたり、抜け毛を減らしたり、髪を構成する蛋白質を増やしたりするといった働きもあると言われています。
免疫力向上効果
アナツバメの巣に含まれる糖鎖は、免疫システムが正常に働くために重要な役割を担っています。私たちの体を病原菌やウイルスから守るには、これらが侵入したときに存在を認識し、その情報を病原菌やウイルスを攻撃する細胞に送る必要がありますが、糖鎖はこの2つの働きを持っています。糖鎖は免疫システムにおいて欠かせない役割を果たしているのです。
ツバメの巣は今なお希少な高級食材である!
ツバメの巣は古くは楊貴妃も愛用していたといわれる高級漢方食材です。現代においてもフカヒレやアワビと並ぶ高級珍味であり、美容と健康にも効果が期待できます。若々しい肌を保ちたい方や育毛したい方、免疫力が気になる方などは食事で取り入れてみてもよいでしょう。