logo 天然アナツバメの巣の美容効果

美容効果が高いとされている貴重なツバメの巣。しかし、ツバメの巣なら何でも美容にいいわけではありませんし、さらに食用でないツバメの巣との区別をしなければいけません。国内で販売されている商品だからすべてが本物だとお考えになるのも危険です。ブランドっぽい商品ページが次から次に誕生しています。今回の記事では、食用で高級品として扱われているアナツバメの巣について解説します。

「アナツバメ」とは

3-3

アナツバメ(穴燕)は、全長10 – 15cmの小型の鳥です。南アジア・東南アジア・熱帯太平洋、オーストラリア北部の海岸や島に分布していて、最大の生息地はボルネオの大鍾乳洞群地帯です。山地・海岸にある天井の高い洞窟内で集団繁殖し、洞窟の天井・壁面に営巣するのが特徴で、他のアマツバメ科の鳥同様、羽毛など空中で得られる浮遊物を飛翔しながら集めて巣材とし、これを唾液腺から分泌される粘着質の分泌物で固めた巣を作ります。この点が類縁の遠いツバメが泥を地表で採取して巣財にするのと大きく異なります。うちジャワアナツバメとオオアナツバメ2種の巣は空中から集めた巣材をわずかしか使わず、ほとんど全てが唾液腺の分泌物でできており、中華料理の高級食材である燕の巣として利用されています。

日本でよく見るツバメとの違い

日本のツバメは何度も同じ巣を使うのに対し、アナツバメは1度使った巣は2度使わないのが最大の違いです。子育てごとに巣を新しく作り、天然のツバメの巣は環境・生態保護のため国が24時間体制で厳重に管理しています。ヒナが成長し巣立って行ったのを確認してから許可が下りるので、使い終わった巣だけを採取しています。これは不要な巣を取り除き、新しい子育てシーズンのために洞窟の限られたスペースを確保する手助けにもなっています。

アナツバメの巣の美容効果

1-6

アナツバメの巣には肌の免疫力を高める「糖鎖栄養素」と、肌の再生能力を向上させる「GF」の両方が含まれています。糖鎖栄養素の摂取によって、免疫システムで重要な役割をする糖鎖が活発になり、肌の免疫力が高まります。糖鎖は体内情報の伝達や免疫細胞に司令を出す役割を果たしています。他の細胞と情報をやりとりして防御体制を整えるなど、糖鎖が健全に作用することで、細胞自体が持つ肌を守るという役割を正常に果たせます。「GF」は人間が元々持っているタンパク質の一種で、肌の代謝に関わる成長ホルモンの働きを活性化させます。シミやシワやたるみを細胞レベルで改善する因子として注目を集めています。このように細胞を効果的に働かせる2つの相乗効果で、エイジング予防と美肌が期待できます。

アナツバメの巣はどこにある?

3-5

アナツバメの巣は主に中華料理に使われるものの、中国では現在、ほとんど生息されておらず、主な生産地は東南アジアです。山地や海岸にある天井の高い洞窟内で集団繁栄し、洞窟の天井や壁面に巣を作ります。環境汚染に弱く、空気や海のきれいなところでしか巣を作りません。中国のツバメの巣はほぼ輸入頼りで、その総輸入量は2015年の20トンから2年間で80トン以上に伸び、300%超の成長率となりました。

養殖と天然の違い

見た目や味からは違いを判断するのはかなり難しいのですが、実は天然と養殖のアナツバメの巣には大きな違いがあります。それらは主にアナツバメの生育環境と栄養価に見られます。天然は「ツバメから人類への贈り物」と表現されるほど本来サステナブルなものなのです。

天然のアナツバメの巣とは

天然アナツバメの巣は、東南アジアなどの限られた地域の洞窟の奥深くで採取されます。最高峰のアナツバメの巣があるマレーシアでは、政府が発行する許可書を持つ業者でないと採取するジャングルへアクセスすることもできず、採取の時期は巣からヒナが旅立った後の年3回の時期に限られています。天然のアナツバメの巣は、アナツバメの唾液の分泌物を固めて作られます。手のひらくらいの大きさで、約30日間かけて作られるツバメのヒナのためのベビーベッドとも言えます。細い糸状の唾液を編み込んで作られたツバメの巣は、白く無味無臭で、弾力の強いゼリーと比喩される独特の食感を持っています。天然のアナツバメの巣は美容や健康に良いとされる栄養を多く含みます。

養殖のアナツバメの巣とは

養殖のツバメの巣は、人為的に手を加えることでツバメに巣を作らせる方法を指します。エサを与えるわけではないので、厳密に言えば「養殖」ではないのですが、人工的な生産物という意味で、一般的にそう呼ばれています。養殖のツバメの巣は、廃墟ビルに設置したスピーカーでアナツバメの鳴き声を流して他のツバメをおびきよせて作られます。なお、アナツバメの鳴き声はデジタルデータになっていて、安値で取引されているようです。

生育環境に大きな違いが

天然は不要になった巣を決められた時期にのみ採取するサステナブルなモデルですが、養殖は人間の都合でツバメの巣が作られたり採取されたりと倫理的な問題をはらみます。本来、人間は卵や巣を勝手に取るなどしてアナツバメの子育てに介入するべきではありませんし、街中の車やバイクで汚染された空気の中で繁殖するアナツバメの生態への影響も気になります。人間にとっても、大気汚染の中でつくられたツバメの巣を食べるのは抵抗を感じる人が多いでしょう。ただ天然と養殖は極めて見分けづらく、残念ながら養殖を天然と称して売られることが一般化しています。生育環境以外の違いについては、天然のアナツバメの巣は養殖と比べて栄養が豊富です。天然は養殖に比べてシアル酸、EGF、水溶性蛋白質といった、美容や健康に良いとされる成分を多く含みます。

天然アナツバメの巣の採取地

アナツバメの巣が採取できる場所は洞窟の奥深くで、多くの場合は高い壁面です。アナツバメはヒナを毒蛇などの外敵から守るため、断崖絶壁や洞窟内の高所など簡単には近寄れない場所に巣を作ります。マレーシアではアナツバメは保護の対象で、国の許可なしにはジャングルにも入れません。アナツバメの生態系を壊さないように地元の警察官などが厳重に管理し、乱獲を防いでいます。採取時は梯子と金具のついた長い竹の棒を使用し、ひとつひとつ慎重に手で採取していきます。命がけの高所作業で危険が伴うのが高額となる理由の一つです。採取できる権利を有する人はごく少数に限られており、年3回のみ訪れる巣の採取時期にしか区域に立ち入ることができません。このような現実をインターネットで検索されているお客様の多くは知りません。販売されている商品であり、商品の詳細ページに「送料無料」、「特定商法取引法に基づく表記」などが記載されていたら、安心して注文してしまう人もいらっしゃると思います。「セール」や「限定」という表記を見た際には、お支払いの画面に進む前に広告ページ以外の企業の公式サイトを確認してください。

糖鎖栄養素「シアル酸」とは

2-5

シアル酸はツバメの巣に多く含まれており、他にも、ローヤルゼリー、母乳、脳の神経細胞、生殖器官といった人の体内にも含まれます。シアル酸は免疫機能の維持向上に欠かせない「糖鎖」を構成する要素の一つです。糖鎖には細胞の働きを正常に保ち、免疫機能を整えてウイルスや細菌から体を守る働きがあり、他にも育毛、美肌、癌やアレルギー緩和などに関わっていると考えられています。「糖鎖」とは糖鎖栄養素が鎖状につながったもので、細胞の周囲にまるで産毛のようについています。この糖鎖は細胞同士の情報伝達に関わったり、細胞の外の情報をキャッチし、細胞内に伝達したりする役割を果たすことから「細胞のアンテナ」とも言われます。近年、この糖鎖が病気を防ぎ健康寿命を保つための重要な働きをしていることがわかってきました。免疫システムを中心に糖鎖が正常に機能するには、糖鎖を構成する8種類の糖鎖栄養素が不足しないようにしなければなりません。その8つの糖鎖栄養素のひとつが「シアル酸」なのです。

アナツバメの巣の活用事例

シアル酸は、食材の中でアナツバメの巣に最も含まれています。

しかし、アナツバメの巣には人工的に作られた「養殖」や化学薬品を混ぜた「偽物」が市場に多く流通しています。

シアル酸を安全に取るためには、大自然の中でつくられた「天然」のアナツバメの巣を選ぶことが重要ですが、天然物を手に入れることは非常に困難です。

そのため、天然物を使っていることが保証されたサプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合はコスメなどを利用したりするのがおすすめです。

banner01