logo シアル酸は熱に弱い?加熱による変化・熱に強いシアル酸などについて解説!

そもそもシアル酸とは?基本的な役割と効果を解説

参照 https://tsubame-lab.jp/01

シアル酸とは、糖鎖を構成する単糖(炭水化物の最小単位)の一種です。糖鎖とはいくつかの種類の単糖が鎖状に連なった物質のことで、生命維持に欠かせない役割をもつことから「第三の生命鎖」とも呼ばれています。

シアル酸はそんな糖鎖の末端にくっついていて、細胞が増殖・分化するための情報伝達や細胞間接着などに関わっているといわれています。

また、シアル酸は免疫機能にも深く関わっています。体内に病原菌などの異物が侵入すると、免疫細胞がサイトカインと呼ばれるたんぱく質を分泌して情報をやり取りし、異物を排除しようとします。シアル酸は、このサイトカインをキャッチして取り込む役割も担っていると考えられているのです。

シアル酸の摂取で期待できる効果

細胞同士の情報伝達や免疫機能などに関わるシアル酸を摂取することには、下記のような効果が期待できるといわれています。

  • 免疫力アップ
  • 感染症予防
  • 脳神経の形成・発達
  • 子どもの認知機能や学習能力の向上 など

また、シアル酸には皮膚の知覚神経を刺激する作用があり、肌の弾力アップや育毛効果も期待できるといわれています。

シアル酸は加熱によって変化する

シアル酸は、糖鎖の末端に結合している場合は、80℃で1時間加熱すると簡単に遊離するとされています。

生化学試薬や医薬品の出発原料としてのシアル酸

さまざまな効果が期待できるシアル酸は、生化学試薬や医薬品の出発原料(複数回の合成を経て原料を作るときの始まりの原料)としての需要も高い成分です。

しかし、シアル酸を抽出できる原料が、ツバメの巣などの高価で入手しづらいものであったため、かつては大量生産できない状況にありました。その後研究が進み、卵のカラザや卵黄膜などにシアル酸が含まれていることがわかった現在はことから、卵からシアル酸を製造する技術が開発されています。

卵を加熱してシアル酸を取り出す

前述の通り、シアル酸は80℃で1時間加熱すると簡単に遊離します。そのため、卵からシアル酸を取り出すには、まず硫酸酸性下でカラザや卵黄膜などの原料を加熱し、シアル酸を引き離します。その後、原料から離れたシアル酸を陰イオン交換樹脂(陰イオン交換基を持つ合成樹脂)で吸着し、ギ酸や活性炭などによるさまざまな処理を経てシアル酸を取り出します。

卵はツバメの巣とは違って入手が容易な材料であり、さらにカラザや卵黄膜は廃棄されることが多かった部分なので、この方法が開発されたことでシアル酸製造のコスト削減が期待されています。

熱に強く、食品にも使えるシアリルオリゴ糖

卵から熱に強いシアリルオリゴ糖(シアル酸を含むオリゴ糖)を製造する技術も開発されています。シアリルオリゴ糖の製造は、まず脱脂卵黄にタンパク分解酵素を加えてシアリルオリゴ糖を引き離す作業から始まります。

その後、膜処理(細かい穴の開いた膜で溶液をろ過する処理)による分画、濃縮乾燥の工程を経て純度10%以上のシアリルオリゴ糖を取り出します。シアリルオリゴ糖は熱への安定性が高いため、加熱が必要な食品にも使用可能です。

シアル酸を含有するおすすめの食品

参照:https://cart.bi-su.jp/beauty_ingredients.html

シアル酸は生化学試薬や食品の原料などとして用いられていますが、食品から直接摂取はできないのかと思う方もいるでしょう。

シアル酸を含有する食品は、ツバメの巣・ローヤルゼリー・卵・牛乳などがあり、これらの食品を食べればシアル酸を摂取できます。ツバメの巣は、中華の高級食材としても知られるもので、とくにシアル酸含有量が多く、100gあたり約10,000mgものシアル酸が含まれています。そのほかの食品のシアル酸含有量は、以下のとおりです。

  • ローヤルゼリー:100gあたり約50mg
  • 卵:100gあたり約50mg
  • 牛乳:100gあたり約20.6mg

また、シアル酸は口や喉、消化管などから病原菌に感染するのを防ぐ役割があることから、赤ちゃん用の粉ミルクにも、シアル酸を配合した製品があります。

ただし、シアル酸を普段の食事で必要量摂取するのは難しいため、サプリメントなどの健康食品を活用するのがおすすめです。

シアル酸を正しく摂取して美容と健康によい生活を!

体内で細胞同士のコミュニケーションや免疫などに関わるシアル酸を、ツバメの巣や卵などから取り出す技術が開発されています。とくに卵から取り出すシアリルオリゴ糖は熱への安定性が高く、加熱が必要な食品にも使用可能です。

シアル酸はツバメの巣や卵などから直接摂取することもできますが、食品を食べるだけでは必要量を補うのが難しいので、サプリメントなどを活用すると良いでしょう。

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