ツバメの巣を最初に食べた人は誰?ツバメの巣の歴史や効果を紹介
中華料理でおなじみの食材でもある、ツバメの巣を最初に食べた人ってどんな人だと思いますか?中国の歴史を調べると、ツバメの巣にまつわる興味深い話を見つけることができました。
この記事では、ツバメの巣にまつわる歴史や、効果、食べ方、選び方などについて紹介します。
ツバメの巣とは?最初に食べた人は?
今回紹介するツバメの巣は、日本でよく見かけるツバメではなく、体の小さな「アナツバメ」が作った巣のことです。アナツバメは、ベトナムやタイ、マレーシアなどに生息していますが、人間の手が届きにくい洞窟や岸壁に巣をつくるため、採取が非常に難しく、貴重な食材として扱われています。
今では高級食材として知られるツバメの巣ですが、本来、食べ物ではないものをいったい誰が最初に食べたのでしょうか?
ツバメの巣を最初に食べた人は誰?唐時代の船乗りが献上?
正確な史実が残っているわけではありませんが、最初にツバメの巣が食べられたのは、1500年ほど昔の唐時代にまでさかのぼります。ある南方の船乗りが、その土地の貴重な食材としてツバメの巣を朝廷に献上したところ、栄養価の高い食材として朝廷でも愛用されるようになったとのことです。
ツバメの巣の効果に気がついたのは明時代の武将?
今から約500年ほど前の明の時代、鄭和という武将が船隊を組んで南洋のマレー諸島を航海していました。すると暴風雨に遭って、たちまち船員たちは食糧難になってしまったのです。苦し紛れに偶然見つけたツバメの巣を煮て食べてみたところ、なんと船員たちはみるみる元気を取り戻していきました。
ツバメの巣の滋養効果に気づいた鄭和が明の皇帝に献上すると、これが朝廷で評判となり、広く知られるようになりました。これが中国の歴史書に記されている、最古の食用としてのツバメの巣といわれています。
ツバメの巣を食べることによる効果効能とは?
ツバメの巣には、健康面でも美容面でもうれしい効果があります。ここでは、主な3つの効果について解説します。
免疫力の向上や感染症予防に役立つ
私たちの体の細胞ひとつひとつの表面には、「糖鎖」という情報伝達を担う物質があります。体内にウイルスや細菌などが侵入すると、糖鎖が情報を伝達し合って外敵を攻撃したり排除したりする指令を出して、健康を守っているわけです。
つまり、免疫機能が正しく働くには、糖鎖は欠かせない存在なのです。そんな糖鎖が正常に維持されるためには、8種類の糖鎖栄養素が必要といわれています。ツバメの巣にはこのうち、なんと6種類もの成分が含まれています!そのため、ツバメの巣は免疫力の向上や感染症予防効果が期待されています。
なお、糖鎖栄養素の一つであるシアル酸はツバメの巣に豊富に含まれており、シアル酸にはインフルエンザの感染を阻害する働きもあるとされています。
肌の保水機能を高める作用がある
ツバメの巣には、肌の保水機能を高めるシアル酸や、ターンオーバーやコラーゲンの生成に欠かせないEGF(上皮成長因子)が含まれています。さらに、ツバメの巣を食べることで、肌にうるおいをもたらすフィラグリンが増加することもわかっています。
肌が乾燥すると、肌を外部刺激から守っているバリア機能が低下するため、さらなる肌トラブルにつながってしまうリスクも。加齢とともに乾燥やシワなどの肌トラブル気になってきたら、ツバメの巣を取り入れてみるのもよいでしょう。
髪の毛の成長を促進する
ツバメの巣に含まれるシアル酸には、神経を刺激する作用もあります。この刺激によって、細胞の成長を助けたり、機能を保持したりする「IGF-1」というタンパク質が増えるといわれており、髪の毛の成長促進効果が期待されています。髪のコシやボリュームが気になる方は、ツバメの巣を試してみてはいかがでしょうか。
ツバメの巣のおすすめの食べ方
ツバメの巣は、乾燥した物を購入し、自分で料理して食べることができます。シロップ煮を作っておくと、ヨーグルトや飲み物にまぜて毎日少しずついただけますよ。
ツバメの巣のシロップ煮の作り方は以下の通りです。
- ツバメの巣を水で戻す
- 厚手の鍋に戻したツバメの巣を入れ、巣1個につき200cc程度の水を注ぐ
- 氷砂糖を適量入れる
- とろ火で煮込む(白いツバメの巣は30分程度、黄色いものは40分程度、赤いものは90分程度が目安)
- とろみが出たら完成
出来上がったシロップ煮は、冷ましてから密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。なお、鍋で煮込むかわりに、炊飯器の「おかゆコース」を利用して作ることも可能です。
また、中華料理ではスープなどに入れて食べることもあります。さらに、最近ではツバメの巣のエキスを配合した健康食品も登場しています。
ツバメの巣を選ぶ上での注意点
残念ながら、ツバメの巣は偽物も出回っています。購入するときは、次のようなものに気をつけましょう。
①漂白加工
本来、ツバメの巣は完全に白いわけではありません。卵が割れるなどしてついた斑点などがあるのが自然です。汚いものを避けようと、見た目の白さに惑わされないようにしましょう。
②のりで整形
自然なツバメの巣は唾液を積み重ねて作られるため、凹凸があります。しかしなかには、海藻や魚骨粉などをのりで貼り付け、見た目を整えたり量を増やしたりしているものもあります。
③水分を添加して重量を偽装
ツバメの巣は重さで取引されます。必要以上に多くの水分を吹き付け、さらに外側を塗装している偽物もあります。
④食用樹脂と混合
市場に出回っているツバメの巣には、安価な瓶詰などがあります。しかし中身はツバメの巣ではなく、食用の樹脂を混ぜたものであるケースもみられます。
ツバメの巣を食べて効果効能を実感しよう!
ツバメの巣を最初に食べた人は、唐時代の船乗りたちといわれています。また、中国の歴史書に記されている、最古の食用としてのツバメは、明時代に鄭和という武将によってもたらされたとのことです。
中国では今でも高級食材として珍重されているツバメの巣ですが、最近ではその健康・美容効果も話題となっています。風邪や、乾燥による肌トラブル、髪のボリュームダウンなどが気になる方は、ツバメの巣を試してみませんか?